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Q&A

[裁判2]『訴訟費用』って何?

かかった弁護士費用は、全部相手に払ってもらいたい!
自分は被害者で、悪いのは相手なんだからさ・・・

残念ながら、裁判所は、弁護士費用の賠償を認めていません。
例外的に認められても、かかった費用の10%程の金額といわれています。
弁護士費用と「訴訟費用」との関係、分かりづらいのでまとめます。

要するにこういうコト

Aさんが勝訴し、判決文に「訴訟費用は被告(Bさん)の負担とする」と記載されているとします。
しかし、「訴訟費用」に弁護士費用は含まれませんから、Aさんは、弁護士費用をBさんからとることはできません。
弁護士費用は、依頼したAさんが支払わなければなりません。

裁判所のホームページ(外部リンク)には、次のように書いてあります。

法律で定められている訴訟費用は,基本的には敗訴者が負担することになります。訴訟費用には,訴状やその他の申立書に収入印紙を貼付して支払われる手数料のほか,書類を送るための郵便料及び証人の旅費日当等があります。ここでいう訴訟費用は,訴訟を追行するのに必要なすべての費用を含むわけではなく,例えば,弁護士費用は訴訟費用に含まれません。

引用元:最高裁判所.「訴訟費用について」(https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_01_03/index.html),2021-3-13参照

弁護士費用は「訴訟費用」に含まれません

法律では、裁判に負けた人が、「訴訟費用」を負担します(民事訴訟法61条)。
簡単にいうと、「訴訟費用」とは、裁判をするのに絶対必要なお金です。
しかし、弁護士費用は、「訴訟費用」に含まれていません(民訴費用法2条)。
なぜでしょうか。

裁判は、本人訴訟といって、弁護士をつけなくても、することができます。
弁護士費用は、裁判に絶対必要なお金ではないことになりますから、
法律は、「弁護士をつけるなら、その費用は自分で負担してください」と考えています。

しかし、実際、弁護士をつけないで裁判をするのは、非常にむずかしいです。
そこで、裁判所は、相手の「不法行為」により弁護士費用を出さざるを得なかった場合に限り、相手から、弁護士費用のうち10%程度をとることを認めています最判昭和44年2月27日参照(外部リンク))

「不法行為」を理由とする裁判って何?

①契約があれば、契約どおりの損害賠償を求めることができます。
②契約がなくても、一定の場合、被害者は、損害の賠償を求めることができます。
②が不法行為を理由とする損害賠償請求です。

なお、たまたま契約があったにすぎず、その実質は不法行為とみるべきであるとして、弁護士費用の賠償が認められた例もあります(最判平成24年2月24日参照)。


事業者同士の契約であれば、契約書にあらかじめ「弁護士費用加算条項」を入れておくことがあります(東京地判平成25年11月13日等参照)
ただし、内容によっては無効になるリスクがありますから、見極めは慎重に行う必要があります。

和解する場合の訴訟費用

裁判となっても、必ず判決となるわけではありません。
和解」といって、お互いが妥協して裁判を終わらせることがあります。
和解には判決にない多くのメリットがあります
そのため、裁判所も弁護士も、できるならば和解をおすすめしています。
令和元年度の裁判のうち、判決は約44%、和解は約38%となっており、和解は多く活用されています(※1)

和解するには、こちらも妥協しなければなりません。
訴訟費用も相手方負担とはせずに、自分と相手とが半分ずつ負担するようにします。
訴訟費用にこだわりすぎると、和解が壊れてしまう場合があります
「損して得をとる」姿勢で、自分の希望に優先順位をつけて交渉することが大切です。

※1:最高裁判所.「第19表第一審通常訴訟既済事件数―事件の種類及び終局区分別―全地方裁判所」(外部リンク),(参照2021-03-13)

参考条文

民事訴訟法(平成八年法律第百九号)

(訴訟費用の負担の原則)
第六十一条 訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。
(訴訟費用の負担の裁判)
第六十七条 裁判所は、事件を完結する裁判において、職権で、その審級における訴訟費用の全部について、その負担の裁判をしなければならない。ただし、事情により、事件の一部又は中間の争いに関する裁判において、その費用についての負担の裁判をすることができる。
2 略
(和解の場合の負担)
第六十八条 当事者が裁判所において和解をした場合において、和解の費用又は訴訟費用の負担について特別の定めをしなかったときは、その費用は、各自が負担する。

民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)

(当事者その他の者が負担すべき民事訴訟等の費用の範囲及び額)
第二条 民事訴訟法(平成八年法律第百九号)その他の民事訴訟等に関する法令の規定により当事者等(当事者又は事件の関係人をいう。第四号及び第五号を除き、以下同じ。)又はその他の者が負担すべき民事訴訟等の費用の範囲は、次の各号に掲げるものとし、その額は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 次条の規定による手数料 その手数料の額(第九条第三項又は第五項の規定により還付される額があるときは、その額を控除した額)
二 第十一条第一項の費用 その費用の額
三 執行官法(昭和四十一年法律第百十一号)の規定による手数料及び費用 その手数料及び費用の額
四 当事者等(当事者若しくは事件の関係人、その法定代理人若しくは代表者又はこれらに準ずる者をいう。以下この号及び次号において同じ。)が口頭弁論又は審問の期日その他裁判所が定めた期日に出頭するための旅費、日当及び宿泊料(親権者以外の法定代理人、法人の代表者又はこれらに準ずる者が二人以上出頭したときは、そのうちの最も低額となる一人についての旅費、日当及び宿泊料) 次に掲げるところにより算定した旅費、日当及び宿泊料の額

イ 旅費

(1) 旅行が本邦(国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年法律第百十四号)第二条第一項第四号に規定する本邦をいう。以下同じ。)と外国(本邦以外の領域(公海を含む。)をいう。以下同じ。)との間のものを含まない場合においては、当事者等の普通裁判籍の所在地を管轄する簡易裁判所の主たる庁舎の所在する場所と出頭した場所を管轄する簡易裁判所の主たる庁舎の所在する場所との間の距離を基準として、その距離を旅行するときに通常要する交通費の額として最高裁判所が定める額(これらの場所が同一となるときは、最高裁判所が定める額)。ただし、旅行が通常の経路及び方法によるものであること並びに現に支払つた交通費の額が当該最高裁判所が定める額を超えることを明らかにする領収書、乗車券、航空機の搭乗券の控え等の文書が提出されたときは、現に支払つた交通費の額
(2) 旅行が本邦と外国との間のものを含む場合において、当該旅行が通常の経路及び方法によるものであるときは、現に支払つた交通費の額(当該旅行が通常の経路又は方法によるものでないときは、証人に支給する旅費の例により算定した額)

ロ 日当 出頭及びそのための旅行(通常の経路及び方法によるものに限る。)に現に要した日数に応じて、最高裁判所が定める額。ただし、旅行が通常の経路若しくは方法によるものでない場合又は本邦と外国との間のものを含む場合には、証人に支給する日当の例により算定した額

ハ 宿泊料 出頭及びそのための旅行(通常の経路及び方法によるものに限る。)のために現に宿泊した夜数に応じて、宿泊地を区分して最高裁判所が定める額。ただし、旅行が通常の経路若しくは方法によるものでない場合又は本邦と外国との間のものを含む場合には、証人に支給する宿泊料の例により算定した額

五 代理人(法定代理人及び特別代理人を除く。以下この号において同じ。)が前号に規定する期日に出頭した場合(当事者等が出頭命令又は呼出しを受けない期日に出頭した場合を除く。)における旅費、日当及び宿泊料(代理人が二人以上出頭したときは、そのうちの最も低額となる一人についての旅費、日当及び宿泊料) 前号の例により算定した額。ただし、当事者等が出頭した場合における旅費、日当及び宿泊料の額として裁判所が相当と認める額を超えることができない。
六 訴状その他の申立書、準備書面、書証の写し、訳文等の書類(当該民事訴訟等の資料とされたものに限る。)の作成及び提出の費用 事件一件につき、事件の種類、当事者等の数並びに書類の種類及び通数(事件の記録が電磁的記録で作成されている場合にあつては、当該電磁的記録に記録された情報の内容を書面に出力したときのその通数)を基準として、通常要する書類の作成及び提出の費用の額として最高裁判所が定める額
七 官庁その他の公の団体又は公証人から前号の書類の交付を受けるために要する費用 当該官庁等に支払うべき手数料の額に交付一回につき第一種郵便物の最低料金の二倍の額の範囲内において最高裁判所が定める額を加えた額
八 第六号の訳文の翻訳料 用紙一枚につき最高裁判所が定める額
九 文書又は物(裁判所が取り調べたものに限る。)を裁判所に送付した費用 通常の方法により送付した場合における実費の額
十 民事訴訟等に関する法令の規定により裁判所が選任を命じた場合において当事者等が選任した弁護士又は裁判所が選任した弁護士に支払つた報酬及び費用 裁判所が相当と認める額
十一 裁判所が嘱託する登記又は登録につき納める登録免許税 その登録免許税の額
十二 強制執行の申立て若しくは配当要求のための債務名義の正本の交付、執行文の付与又は民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第二十九条の規定により送達すべき書類の交付を受けるために要する費用 裁判所その他の官庁又は公証人に支払うべき手数料の額に交付又は付与一回につき第一種郵便物の最低料金の二倍の額に書留料を加えた額の範囲内において最高裁判所が定める額を加えた額
十三 公証人法(明治四十一年法律第五十三号)第五十七条ノ二の規定により公証人がする書類の送達のために要する費用 公証人に支払うべき手数料及び送達に要する料金の額
十四 第十二号の交付若しくは付与を受け、又は前号の送達を申し立てるために裁判所以外の官庁又は公証人に提出すべき書類で官庁等の作成に係るものの交付を受けるために要する費用 第七号の例により算定した費用の額
十五 裁判所が支払うものを除き、強制執行、仮差押えの執行又は担保権の実行(その例による競売を含む。)に関する法令の定めるところにより裁判所が選任した管理人又は管財人が受ける報酬及び費用 当該法令の規定により裁判所が定める額
十六 差押債権者が民事執行法第五十六条第一項(これを準用し、又はその例による場合を含む。)の許可を得て支払つた地代又は借賃 その地代又は借賃の額
十七 第二十八条の二第一項の費用 同項の規定により算定した額
十八 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百八十五条(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の規定による通知を書面でした場合の通知の費用 通知一回につき第一種郵便物の最低料金に書留料を加えた額の範囲内において最高裁判所が定める額

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