本年も引き続き、「予防」意識が強く求められています。
ウイルスから身を守るには、マスクを着け、手指を消毒します。
暮らしのトラブルを「予防」するには、早めのご相談が大切です。

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「お試し無料」「初回無料」というネット広告に注意!

お~、飲むだけでこんなに痩せるのね!
初回はお試しで無料? 申し込んでみよっと!

まだ商品届くの?しかも10000円?
試すつもりしかなかったのに!どうしよう・・・

法律が改正されるみたいですから、まとめてみますね。

広告に「初回無料」と書いてあるものの、実は定期購入の申込みとなっており、2回目からは高い金額を請求されてしまう。
このような詐欺的手法は、特定商取引に関する法律(以下特商法といいます)の改正により厳しく罰せられる予定です。

広告サイトがすでに削除されていたり、残っていても解約がしづらいようにしてあったりするので、広告には注意しましょう。

ネット通販トラブルの注意点

SNSや動画にオーバーな広告を出している
 →「飲むだけで一週間で30kg確実にやせられる!」など
  オーバーなことが書いてあったら、会社・製品の評判を調べてみましょう
「初回無料」・「お試し価格」などと大きく書いてある
 →解約しない限り定期購入であることが、離れた場所に小さく書いてありませんか?
  サイトをすみずみまで読んでみましょう

★より詳しく知りたい方は、東京都生活文化指導局消費生活部取引指導課「特商法ガイドブック」8頁以下もご参照ください。

+改正への向けての流れ(詳細はクリック)

なお、日本弁護士連合会は、2020年7月16日付「インターネット通信販売における定期購入契約等の被害に対する規制強化を求める意見書」の中で、「初回分と2回目以降の契約条件を分離して表示するなど、2回目以降の定期購入契約が付帯しているものであることが容易に認識できないもの」、すなわち、詐欺的な定期購入商法に対し、以下のとおり、「規制の強化」を求めていました(1頁)。

インターネット通販(特に定期購入契約)のトラブルの急増インターネットを利用した通信販売によるトラブルが年々増加している中、健康食品や化粧品等について、2回目以降に高額の請求を伴う複数回の購入を求める契約であるにもかかわらず、「初回無料(又は著しく低額)」、「お試し」等の有利条件を殊更に強調する広告で消費者を誘引する「定期購入契約」の被害が問題となっている。国民生活センターの集計によれば、消費生活相談の件数は近年は横ばい傾向にあるものの、「定期購入」に関する相談件数は、2015年度の4、141件から年々増加し、2019年度は44、370件と、2015年度の10倍以上、前年度と比べても2倍以上に急増している1。インターネット通販、特に定期購入契約に関するトラブルの急増と法規制の必要性については、消費者庁が2020年2月に立ち上げた「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」でも検討されており、本年夏までに一定の結論を得た上で、来年の通常国会に関連法案が提出される見込みである。

1 消費者庁公表「令和2年版消費者白書」44頁

その後、2020年8月19日に、「第6回 特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」が開かれ、その報告書の「1「詐欺的な定期購入商法」への対応」の中では、次のようにとりまとめられています。

通信販売の広告において、初回に無料又は低額な金額を提示し、2回目以降に高額な金額を支払わせる、いわゆる「詐欺的な定期購入商法12」に関する消費生活相談が増加13している。さらに、国民生活センターによると、昨年の定期購入に関する消費生活相談のうち、「お試し」「モニター」等という広告を見て申し込んだなどの申出が含まれる相談は約5割、「連絡不能」に関する相談は約3割となっている。このため、「詐欺的な定期購入商法」に該当する定期購入契約を念頭に、特定商取引法における顧客の意に反して通信販売に係る契約の申込みをさせようとする行為等に関する規制を強化すべきである。具体的には、独立した禁止行為とした上で、規制の実効性を向上させるとともに、違反のおそれのあるサイト等へのモニタリング等を外部の専門的リソース14も最大限に活用15して法執行を強化するといった抜本的な措置を講じる必要がある。また、「詐欺的な定期購入商法」で意に反して申込みを行わせる悪質事業者を念頭に、解約・解除を不当に妨害するような行為を禁止するとともに、解約権等の民事ルールを創設する必要がある。さらに、現状では、「定期購入」に関する消費生活相談の9割以上がインターネット通販によるものであることも踏まえ、特定商取引法に基づくガイドラインである「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」の見直し16を早期に実施するとともに、法執行を強化する必要がある。

12 「詐欺的な定期購入商法」の具体的な手口としては、①消費者が定期購入であることを容易に認識できないような形で表示を行う手口、②消費者に定期購入であることを明示的に示しつつも「いつでも解約可能」と称して契約を締結させ、解除に応じない又は解除のためのハードルを意図的に上げ、明示しない手口が挙げられている。
13 国民生活センターによると、定期購入に関する消費生活相談件数は、2015年(平成27年)の4141件に対し、2019年(平成31年、令和元年)は44713件と10倍以上に急増している。なお、件数は令和2年6月30日までにPIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録されたものである。
14 消費者庁は、インターネットを利用した通信販売等における特定商取引法の法令遵守状況に関する調査を一般財団法人日本産業協会に委託している。
15 具体的には、デジタルデバイスに記録された情報の回収及びその分析調査、いわゆるデジタル・フォレンジックに関する取組を更に強化することなどが考えられる。
16 検討委員会では、見直しの際に、広告画面及び申込画面において、価格等と契約内容・解約条件を一体として容易に認識できないような表示を禁止すべきとの指摘がなされている。

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